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菅首相 震災直後に息吹き返すが余命は財務省の「思惑」しだい

 ジャーナリストの須田慎一郎氏が、ニュースの裏に隠された真相とタブーを暴く。以下、「ポスト菅」に関する須田氏の分析である。

 * * *
 大震災発生の直前までは、間違いなく土俵際まで追い詰められていた菅直人首相だが、ここへ来てとりあえず息を吹き返したと言える。

「大震災が発生するまでは、予算関連法案が成立する見通しがまったく立たず『4月解散』が現実味を帯びつつあった。霞が関、中でも財務省は表面的には菅総理を支えつつも代わりを探し始めていましたからね」(民主党の有力国会議員)

 政権発足後一貫して菅政権の全面バックアップに回っていた財務省であるが、それはボロボロの菅政権を支える理由は消費税増税のためだった。だが、八方塞がりの菅政権の余命がそう長くないことも事実だった。

 その財務省が、“ポスト菅”という意味で密かに期待したのが、野田佳彦財務相。財務省上層部は、水面下で某大手メディアと連携をとり、何食わぬ顔で野田政権の実現へ向けて動き始めていたのである。

「財務省としては、悲願とも言える消費税増税に、菅総理が積極的だったからバックアップ態勢を敷いたにすぎない。しかしその菅政権下では、消費税増税が困難な情勢であることが震災直前にはハッキリしてきた。それゆえに別の有力政治家に乗り換えるつもりだった」(財務省幹部)

 しかしそうした財務省の思惑も、今般の大震災の発生によっていったん封印せざるを得ない状況になったと言えるだろう。とはいえこうした一連の動きの中で見えてきたことは、野田財務相が財務省の“手駒”の一つになっているという点に他ならない。この両者の関係には、今後要注目だろう。

※SAPIO2011年4月20日号


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