国内

上杉隆氏「小沢氏推定無罪で辞職を迫る新聞社説は支離滅裂」

 強制起訴となる小沢一郎氏の出処進退について、不思議なことに、新聞各紙の主張は「議員辞職すべし」で足並みが揃っていた。 ジャーナリスト、上杉隆氏はそうした主張は、あまりに自己矛盾に陥っていると指摘する。

******************************
 10月5日の紙面では、「自ら議員辞職の決断を」と朝日が社説で宣言すれば、「潔く議員辞職すべきだ」と産経も足並みを揃える。ふだんは政治的主張が正反対の朝日・産経ですらこれだ。読売・毎日の内容もほぼ同じで、新聞は「反小沢」になるといきなり固い結束を見せる。

 ところが、小沢氏に議員辞職を求める彼らのそうした主張は、残念ながら自己矛盾に陥ってしまっている。

「これまでの政治的かつ道義的責任に加え、刑事責任も問われる。小沢氏本人は『裁判の場で無実が必ず明らかになる』と語ったが、今こそ自ら進んで責任を認め、潔く議員辞職し、政治生活にピリオドを打つべきだろう」

 と産経は書いた。では、同じく公職にあって、起訴された村木さんのときはどうだったのか。彼女も起訴された時点で、厚生労働省を辞めるべきと、どの新聞がいったのか。

「確かに有罪が確定しない限り、『推定無罪』の原則が働く。しかし、そのことと、政治的な責任とはまったく別問題である」「その業績の歴史的意義をこれ以上損なわないためにも、ここは身を引くべきである」(朝日)

 もはや支離滅裂だ。「推定無罪」だとすれば、小沢氏のどこに「政治的な責任」があるというのか。朝日は小沢氏に「政治とカネ」の問題があるとの前提で書いているが、その前提を示す具体的な証拠は何一つ提示されていない。

※週刊ポスト2010年10月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
大河撮影前に2人で北海道旅行をしたという(時事通信フォト)
吉高由里子、セレブ恋人との結婚は『光る君へ』クランクアップ後か 交際は事務所公認、大河スタッフも“良い報告”を楽しみに
週刊ポスト
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン