国際情報

経済制裁で日本製品が入らなくなったら困るのは中国の方

 レアアースの禁輸などをちらつかせて日本を恫喝する中国。だが、実際に経済制裁に踏み込めば中国もただではすまないとジャーナリストの吉村麻奈氏は指摘する。

******************************
日本経済の中国依存度は高いと言われるが、中国も日本製品無しには生きていけないのだ。 たとえば、中国が日本に依存している先端技術製品にはどんなものがあるのか。

「高機能の鋼板、高速鉄道の信号や保守技術、携帯の部品、高機能電子材料、電池、ハイテク繊維、建設機械、半導体製造関連に至るまで、いくらでもあります」というのは清華大学・野村総研中国研究センターの松野豊・副センター長。実際、中国はレアアースを使った製品も、自国で作れないので日本から多く輸入している。
 
「もちろん、実際には経済制裁の武器にはなりません」

 仮に日本が中国の報復に対して経済的手段で対抗したとしても、それは中国国内の日系を含む外資系企業も大きな被害を受けてしまう。それは中国にとっても同じことで、やればやるほど双方が大きな傷を負う。しかし、傷を負って、どちらが先に回復するか、というと日本だろう。
 
松野氏が続ける。 「日本は、外交圧力にはめっぽう弱いけれども、経済制裁には意外と強い。1970年代のアメリカと繊維だの自動車だの、戦ってきたので経験豊富ですよ。たとえば省エネ技術とか、あの頃アメリカにいじめられたおかげで、日本は世界に冠たる技術国家になったんじゃないですかね」

※SAPIO2010年11月10日号

関連キーワード

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン