国内

読売・日経 記者クラブ未加盟は「記者会見」と呼ばせぬ方針

「裁判が済むまで党を離れてくれないか」――党員資格停止処分につながる菅直人首相からの勧告を小沢一郎・元民主党代表が暴露したのは、「記者会見」の場だった。ただし、この会見を主催したのは、これまでの新聞やテレビ、通信社が加盟する記者クラブではない。フリーやインターネットの記者らが作る「自由報道協会」である。
 
 事実、新聞各紙は軒並み、この会見に否定的だった。たとえば産経のネットニュースは2月11日、〈小沢氏、会見はお気に入りの「自由報道協会」(仮)で 新聞・テレビ記者に「質問の自由」なく〉との見出しを打ち、次のように報じた。

〈同協会は「主催者がわかる形での報道」を出席条件に提示。このため一部報道機関は出席を取りやめた。新聞・通信社、テレビ局の記者ら十数人が出席したが、質問の機会はなかった〉
 
 自由報道協会の広報を務めるフリーライターの畠山理仁氏によると、「一部報道機関」とは読売新聞だという。

「読売の記者は、一度は会見場に入ったんですが、誰かと電話した後、急に『やっぱり会見参加者名簿から名前を消してもらえますか』といい、参加を取りやめたんです。上司に止められたんでしょうか」(畠山氏)

 自由報道協会の暫定代表でジャーナリストの上杉隆氏は、記事の書きぶりに呆れながらこう反論する。

「産経は『質問の自由がなかった』といいますが、フリー記者に質問する権利を与えてこなかった記者クラブ主催の会見と違い、こちらからも質問を促しています。そもそも、フリー記者は大臣会見などで一回も当てられないどころか、出席すら許されてこなかった。逆の立場になっても気づかないんでしょうか」

 また、先の産経のネットニュースは〈同協会は1月27日も小沢氏の記者会見を主催。この時は「記者クラブオープン化の賛同者として名前の公表」を出席条件に掲げた〉とも書いた。しかし実際には「条件」をつけたわけではなく、事務局長の渡部真氏が「記者会見の開放に前向きということで名前が公表されるかもしれません」といったところ、会場に来ていた記者クラブの記者たちがいっせいに参加を取りやめ、別部屋でモニター見学することになったというのが真相だという。

「ほかにも、2月11日付の読売や日経は、これを『記者会見』ではなく『インターネット番組』と書きました。自分たちが行なっているものだけが『記者会見』だという意識の表われで、せめてもの抵抗でしょうが、明確な誤報なので速やかに抗議しました」(上杉氏)

※週刊ポスト2011年3月4日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン