「天皇が京都御所に避難されたようだ」――大地震発生から3日後の3月14日、こんな情報がもたらされた。電話の主は、ある官公庁の幹部。寺社関係者より、福島原発が爆発したその日の夜に、天皇が皇居を出て、京都御所に避難したという話を聞いたという。報道関係者にも知らせてないというのだ。
さらに、外資証券幹部から聞いたという人の話。「ヒルズ族のひとりが日曜の時点で早々と家族連れて京都に移った。彼らは何かしら情報を早くキャッチして行動する。天皇にならい、東京を脱出したのではないか」
天皇が有事の際、皇居を出て避難をする――5年前に公開された映画『日本沈没』(東宝系、1973年のリメイク版)を思い出した。静岡県駿河湾沖に深さ30キロを震源とした巨大地震、大津波がやってきて、日本列島が次々と海底に沈没するという内容だ。
映画では日本沈没の危機に及んだ際、首相(代理)が天皇に対し、「皇室はスイスに避難していただく」と指示を出して避難を促すシーンがある。
「京都御所への避難」は本当か。となると三種の神器は、皇居から外へ持ち出されたのか。
宮内庁広報課の話。
「京都に避難? なぜですか。震災の影響でということですか。ありません」
天皇は皇居にいらっしゃるのか、と尋ねると「はい、いらっしゃいます。実は、そういった話は、インターネットの書き込みにあったという話は聞きましたが、ご承知の通り東京は安全ですから、避難される必要はないでしょう」
※週刊ポスト2011年4月1日号