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めまいの大半は内耳の左右差が原因 解消には平衡訓練が有効

 めまいの治療は薬物療法が主で、良性発作性頭位めまい症(BPPV)に対してのみ、一部「エプリー法」という理学療法が実施されている。めまいの大半は、内耳の障害により左右差が生じ、バランスが崩れるために起こる。目と耳と足の裏(深部感覚)を刺激することで小脳を働かせ、左右差を解消するのが平衡訓練だ。21の動作を継続することで、症状は軽減される。

 立ち上がるとフワっとする、頭を急に動かすと目がまわる、といっためまい症状を訴える人は多い。めまいは脳卒中の後遺症でも起こるが、大半は耳が原因だ。治療は薬物療法が主で、良性発作性頭位めまい症に、一部理学療法が実施されているのみ。薬物療法を実施しても治りにくいめまいは前庭神経炎、ラムゼイハント症候群や突発性難聴などが代表的だ。

 これら難治性めまいに対する治療として注目されるのが、平衡訓練だ。継続しやすいように工夫した平衡訓練で治療を行なう、横浜市立みなと赤十字病院耳鼻咽喉科の新井基洋部長に話を聞いた。

「めまいは吐き気を伴うこともあり、発作が起こった場合、まず安静にします。その結果、めまいやふらつきが慢性化してしまい治りません。平衡訓練は視刺激(目)と前庭刺激(耳)と深部感覚刺激(足の裏)を用いて小脳を働かせ、本来持っている左右のバランスをとる機能を活発化して、めまいを軽減していく治療です。当院では16年間でのべ8000人が入院治療を受けました」

※週刊ポスト2011年4月29日号

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