近年、心身の不調を訴える人が増えているが、それは子供でも同様だ。あなたは大切なわが子の心のSOSを見逃していないだろうか? 日常生活のなかで垣間見える変化を早期発見し、心のケアを心がけたい。
小学3年生の女の子・Aちゃん(9)は、いつも遊んでいる友達にジュースをおごらされたり、ゲーム機やソフトを持ってくるようにいわれたりするうち、次第に笑顔が消えていった。やがて、頭部が円形脱毛症になってしまった。両親は仲の良い友達だと思い込んでおり、共働きで多忙なことを理由にAちゃんをあまりかまってあげられなかったため事態に気づくのが遅れた。
「いじめがきっかけで円形脱毛症や無気力などのうつ状態や不登校に陥ることはあります。ただ、こうした症状には、いじめに限らず学校や家庭などの小さな出来事が複合的に影響していることが多いんです」と指摘するのは、「カウンセリングルーム・プリメイラ」代表の袰岩(ほろいわ)奈々さん。
ひとつのことが引き金になって、マイナスのスパイラルにはいってしまうことも。
「“何かあったらお母さんにいってね”と声をかけつつ、本人の生活に注目し、“大丈夫だよ”とポジティブなメッセージを送ることが大切です」(袰岩さん)
※女性セブン2011年6月2日号