国内

菅内閣になってマスコミ幹部への機密費接待増えたとの証言

 辞任表明した菅直人首相の後継をめぐって、小沢一郎、亀井静香といった、いわば旧世代の大物政治家への期待が高まっている。

 民主党内では小沢支持勢力を中心に中間派や執行部派にも広がる「反増税・脱官僚」勢力が日に日に拡大し、これに自民党で反増税を主張してきた「上げ潮派」や、もともと増税反対のみんなの党などが合流し、超党派の「増税によらない復興財源を求める会」(5月12日発足)が活発に動いている。

 一部に「亀井救国内閣」の声が上がるのも、この勢力の糾合に亀井氏が協力しているからである。

 よく考えてみれば、昨年秋の菅vs小沢の代表選でも議員票は真っ二つに割れた。その後の菅政権の体たらくを見て、当時に比べてどちらの勢力が増えたか、減ったかは明らかだ。だからこそ、議員投票で不利と見た執行部派の北沢俊美・防衛相は「議員投票ではなく党員投票にすべきだ」と主張しているのである。

 こうした正しい政界潮流が報じられない一方で、「次の総理は“仙原幸彦”(仙谷由人・官房副長官、前原誠司・前外相、枝野幸男・官房長官、野田佳彦・財務相)」というデマが流布されるのは、執行部派と記者クラブの親密すぎる関係に原因がある。

 総理補佐官の一人は、記者とのオフレコ懇談で、こんな軽口を叩いている。

「首相動静で、総理がオレや秘書官と食事や会合をしたと発表されたら疑ったほうがいいよ。たいていはマスコミ関係者と会っているんだが、相手の都合で表に出さないだけだから」

 その会合には連日、高級料亭や寿司屋、高級焼き肉店が使われ、恐らくは官房機密費で支払われる。菅内閣はできるだけ延命して機密費を持ち逃げしようと企んでいた疑いがある。枝野氏は、自民党時代よりハイペースな機密費使用について「震災復興に役立てている」というが、そんな用途なら公表すればいいし、一体どんな「機密工作」が必要だったというのか。

 一方で、「菅内閣になって以降、政権中枢と新聞の論説委員などとの極秘会談が増えている。あるマスコミ幹部は呼び出されたホテルのレストランで、ずばり『○○さんは機密費は受け取らないんだったかな?』と訊かれて驚いたと話していた」(政界関係者)というように、機密費とマスコミの闇は深まるばかりだ。

 国民に見捨てられ、しかも菅政権の悪政を主導した「仙原幸彦」をヨイショするマスコミに、国民が不信の目を向けるのは当然だ。

※週刊ポスト2011年6月24日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン