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親が共働きだと気の毒と思われ、冷やかにされた時代もあった

 普段の心がけや、ちょっとした工夫できれいを伝授してくれる美容研究家の小林ひろ美さん(47)。母親の照子さん(76)は、美容に関するコンサルティングや教育などを行う『美・ファイン研究所』を運営。50年以上の美容キャリアを持ち、コーセーで初の女性取締役となった美容界の第一人者だ。母と同じ道を選んだ娘には、どのような思いがあったのだろうか。

 * * *
 私が子供のころから、母親はいつも働いていました。夜帰ってきても、私は寝ているので何時ぐらいに帰ってきていたのかもわかりません。会うのは朝だけ。当時はまだ週休1日が普通だったので、ゆっくり話せるのは日曜だけでした。

 当時、母はすごく仕事をがんばっている時期で、CMの撮影の仕事があればハワイなどの海外に行って1か月ぐらい帰ってこないんです。私はその間、出身保育園の園長先生の家に預けられていました。

 ひとりっこの“鍵っ子”だったので普段の食事は決まったレストランで食べて、ある程度の時間になったら帰る。それが当たり前と思っていました。当時は共働き=気の毒というイメージで、母親は家計のために働いていると思われていたので、周囲の視線はわりと冷ややかでしたね。

「ひろ美ちゃんと遊ぶと、不良になるとお母さんがいっている」といわれて傷ついた経験もあって、よその家のお母さんがうらやましくて仕方ない。仕事をやめてと泣いて懇願したこともありました。でも中学生ぐらいになると、徐々に関係が変化していきました。

「きょう、○○を食べた」といえば「どこ? 私も連れてって!」「ここはもっとおいしいわよ」と会話のキャッチボールができるように。ひとつ質問をしても、予想以上の答えがバンバン返ってくる。決して家庭的ではないけれど、その分、社会とつながっていて、いろんな知識があるなぁと。

※女性セブン2011年8月11日号

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