13歳の女子中学生に対する性的暴行は、信じがたいことに被害者の両親公認のもとで行なわれていた。11月16日、東京都府中市で歯科医を営む石川潔容疑者(61)が、妻・香里(28)とともに強姦致傷容疑で逮捕された。「除霊」と称して少女のマンションに押しかけ犯行に及んだのだ。捜査関係者がいう。
「ブツブツと念仏を唱えながら下腹部を指でまさぐり、最後にはレイプに及んだ。マンションのカギを渡したのは石川の信者だった両親で“娘の体内にいる悪魔を取り除く”という言葉を信じたと話している」
両親がマインドコントロールされている状況では逃げ場がなかった。暴行は少女がまだ小学生だった2年ほど前から続いており、時には父親がいる前で“除霊”の儀式が行なわれることもあったという。石川容疑者は自らの歯科医院や自宅を舞台に“布教”を続けていた。
「診察室には、有名な新興宗教の教祖の著書が並べられていた。私も診察を受けたのですが“お前の歯並びが悪いのは信仰が薄いからだ”と罵倒されたことがある。夜には、化粧っ気の薄い黒髪のロングヘアの女性たちが複数集まって、説法らしいことをしていた。時折、“キエーッ”という絶叫やお経も聞こえてきた。一時期はオーストラリア出身という白人女性もいた」(近所の住民)
捜査関係者によれば「妻の香里容疑者も、被害者の母親もこの妖しいセミナーの出身者だった」という。また、香里容疑者とは再婚だが、前妻は離婚後も自宅に通って草むしりに精を出す姿が目撃されており、とんだハーレム歯科医だったようだ。
なぜ街の歯科医がそこまでの“カリスマ”を持ち得たのか。歯学部に在学していた頃から、「大気拳」という中国武術を習い始めたことが宗教に目覚めるきっかけだったようだ。
「本来、大気拳は宗教とは無関係だが、石川はこの拳法を悪用して信者を増やしていった。一時は一橋大学の構内でこの拳法を教えており、学生だった香里容疑者を信者に引き込んだらしい。石川容疑者は気の弱い女性を恫喝し、自らの支配下におく手法に長けていた」(大手紙警視庁担当記者)
※週刊ポスト2011年12月9日号