ライフ

老人ホームへの期待No.1は「食事」85% だが「満足」は18%

超高齢化社会の到来で、老人ホーム数が急増している。全国有料老人ホーム協会の調査によれば、2009年10月末時点のホーム数は4482。そのうち半数以上は2006年度以降に開設された新しい施設である。

そんななか、雑誌やムックなどでは「老人ホーム・ランキング」が定番企画、人気企画となっている。

よくあるランキングの基準は「経営の安定性」「介護体制の充実度」などだ。こうした指標は、これから入居する高齢者や入居予定の親を持つ世代が関心を寄せるチェックポイントだとされる。だが、事業経験が長く、職員数が多ければ、それだけで「残りの人生を幸せに暮らせる」というわけではない。こうしたランキングには、多くの場合、入居した人の声が反映されていない。

全国の老人ホームで講演や人材育成の指導を行なうケアタウン総合研究所の高室成幸所長が語る。

「特別養護老人ホームと違って、民間のホームの入居者は比較的、元気な人が多い。医療・介護体制も大事だが、実は入居者の不満は食事に関するものが圧倒的に多い。若い時と違って単調な生活が続きがちな高齢者にとって、日々の生活の最大の楽しみは三度の食事なんですね。だから、最近は『食事内容の充実』をアピールする施設が増えている」

実際、前出の調査によれば、老人ホームの生活支援サービスに期待されるものは、「食事提供」が85.7%と最も多い。ところが、「生活支援サービスの内容」に満足していると答えた入居者は17.6%、「生活支援サービスのメニューの多さ」の満足度は14.9%に過ぎなかった。「食事の献立はバラエティに富んだものにしてほしい」(入居者)という声は多く聞かれる。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

関連キーワード

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン