国内

オフで話す政治家は仙谷氏 話さないのは小沢、岡田、原口氏

2011年年内をもってジャーナリスト活動を無期限休業する上杉隆氏が、権力とメディアの「官報複合体」の内情を暴くべく、政治記者たちが政権幹部などを取材した40万枚にも及ぶメモなどを暴露する。政治家たちはどんな素顔をみせていたのか、上杉氏が報告する。

* * *
記者メモを見ていると、「オフ」で話す政治家とそうでない政治家に二分されることに気づく。小沢一郎氏や岡田克也氏、原口一博氏などは、ほとんどオフ懇(オフレコでの懇談、基本的に記事にはしない)に応じることがない。記者会見をオープン化してきた政治家にとって、記者クラブの番記者相手にオフ懇をやることは、そこに入れないフリーランスや海外メディアに対してアンフェアだと考えているからだろう。

一方で菅政権当時、もっとも多くオフ懇を行なったのは仙谷由人氏だ。彼は官房長官として、後藤田正晴氏や野中広務氏と同じように、番記者をコントロールしようと目論んでいたのだ。

たとえば2010年12月28日、赤坂の中華料理店で行なわれた番記者との忘年会で、小沢氏が政倫審に出席するとのニュースが突如舞い込んできた。小沢氏と対立していた仙谷氏は、その場で記者から一報を伝えられると、こう言ってのけた。

〈ほれ、オレが言った通り(笑顔)。政治は一寸先は闇……というとあれだから、一寸先は台風一過!〉

わざわざ良い意味の諺に言い換え、「明るい話題」であることを強調している。

2011年1月14日には、翌日に65歳になる仙谷氏の誕生会が番記者によって開かれた。記者たちからペアカップなどをプレゼントされた仙谷氏は、ご機嫌になった。

〈――解散はないか?

仙谷:解散なんてしないよ。306~7議席持っていたら、世論がどんなに非難しようと解散しないよ。またたらい回しするだけ。そのとき誰が(総理を)やるか分からないけど。どんなに支持率が下がろうと、権力持っている方が強いんだよ。簡単に手放すなんてしない。〉

このあとも解散権を持つ菅首相を無視するような発言が続くが、全く報じられることはなかった。官房長官として仙谷氏の不信任案が出された際など、〈あなたがたが、ちゃんと(記事に)書かないからこうなるんだよ。そうでしょう?〉(2010年11月15日夜)と恫喝まがいのことまで言われているにもかかわらず、記者たちは黙っている。もはやジャーナリストとはいえない。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
「歴代でいちばん好きな“木村拓哉が演じた職業”」ランキング ファン、ドラマウォッチャーが選ぶ1位は『HERO』の「検事」
「歴代でいちばん好きな“木村拓哉が演じた職業”」ランキング ファン、ドラマウォッチャーが選ぶ1位は『HERO』の「検事」
女性セブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン