【書評】『極北ラプソディ』(海堂尊/朝日新聞出版/1680円)
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破綻寸前にある極北市民病院の再建のため、院長になった世良雅志。〈当たり前のことを当たり前にやれば、ものごとは破綻しない。特に医療のように、人々から必要とされるものならなおさらだ。じゃあ、なぜ破綻するのか〉。
行政との馴れ合いを排し、救急患者の受け入れ中止などの改革を断行していく。さらに外科医の今中良夫を、隣接する雪見市の救命救急センターに移籍させた。そこはドクターヘリが飛ぶ、救急医療の修羅場だった……。
※週刊ポスト2012年1月27日号