【書評】
『争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール』(木村元彦/集英社インターナショナル/1575円)
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2007年、川崎フロンターレの我那覇和樹選手は無責任な新聞の誤報によりドーピングの嫌疑をかけられた。我那覇はその後のJリーグによる事情聴取に臨んだが、そこは〈僕らが何か話してももう全部、上から押さえつけるように全部否定されてしまう。そんな空気〉であり、結局6試合出場禁止、チームは罰金1000万円の制裁を受ける――。
その後のCAS(スポーツ仲裁裁判所)による裁定までの苦闘を克明に描いたノンフィクション。
※週刊ポスト2012年2月17日号