【書評】『考えるとはどういうことか』(外山滋比古/集英社インターナショナル/1050円)
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知識と思考は一見同じように思えるが実は対立、反比例するのではないか。つまり〈知識がふえればふえるほど思考は弱体化し、知識の乏しいものは、思考力をつよく発揮できる〉。
そう思う著者が、課題に縛られることなく頭を働かせ自由思考を重ねながら語り下ろした6章。球体の地球で普段意識しない平面思考、そして球面思考。曖昧な表現の日本語は「悪魔の言語」なのか、それとも? 語られる様々な話題から知的好奇心をそそられる一冊。
※週刊ポスト2012年3月2日号