女性の体は年齢とともに変化する。同じ50才でも美しい人と、残念な人…その違いはどこに? 年を重ねてもなお美しい人の秘密は? 特に、女らしさの象徴=「エストロゲン」といわれるが、エストロゲンとはいったいどんなものなのか?
成城松村クリニック・院長で婦人科医の松村圭子さんはこう語る。
「女性ホルモンは、『エストロゲン』(卵胞ホルモン)と『プロゲステロン』(黄体ホルモン)という2種類からなります。髪や肌のハリなど “女性らしさ”を生むのが『エストロゲン』で3種類存在します。一方『プロゲステロン』は、子宮内膜を厚くふかふかにしたり、妊娠を維持したりする働きや、体温を上げる作用も。『エストロゲン』も『プロゲステロン』も生理前後は低下するなど、大きく変動しています。
一生のうちに分泌される女性ホルモンの量はティースプーン一杯程度といわれ、『エストロゲン』は40代中盤~後半にガクンと激減します。この時に感じる体の不調が更年期障害で、症状緩和のために女性ホルモン補充療法を受ける人も増えています。しかし、量が多ければいいというものではなく、『エストロゲン』の過剰な刺激は乳がんや子宮体ガンのリスクにも。大切なのは、量ではなく2つのバランスです」
太っている人と痩せている人では、どちらが多いのだろうか?
「女性ホルモン『エストロゲン』の中でも『E1』は、主に脂肪組織で作られます。閉経後は卵巣で『E2』がほとんど分泌されなくなるため、太ってる人のほうが多いといえます。ただし、『E1』の活性はあまり高くありません」(松村さん)
では、グラマーな人と胸が小さい人では、女性ホルモンが多いのはどちらか。松村さんはこういう。
「女性ホルモンには、女らしい体つきの源になり、乳腺を発達させる働きがあります。しかし、おっぱいの大小は、遺伝や食生活なども関係しているので、女性ホルモンが多いからといってグラマーなわけではありません」
※女性セブン2012年3月8日号