国内

沖縄での青森の雪拒否事件 騒いだ人の多くは本州出身避難者

 東日本大震災から1年。新聞・テレビにあふれる悲劇や美談だけでは大震災の真実は語れない。いま、日本にはびこる「放射能デマ」も大きな問題だ。

 放射能の危険を訴えるボランティアや市民団体に困惑する住民は多い。原発作業員が宿泊するいわき湯本温泉では、市民団体が作業員に手当たり次第測定器を当て、「あなたも放射能に汚染されています!」と“宣告”して回るのだという。

 原発事故のあった福島から国内で最も遠く離れた沖縄にも、手前勝手な「放射脳」の人々がいる。雪の降らない沖縄の子供たちへ青森から雪のプレゼントが届けられる――那覇市では毎年恒例の行事だが、今年はこれにケチがついた。同市に住民から「放射能汚染された雪をもちこむな」と抗議が相次いだのだ。

 それを受け、那覇市では住民説明会を開催。雪の放射線測定で福島第一由来の放射性物質は付着していないこと、また、青森県庁と文科省の放射線モニタリング調査結果でも青森県は沖縄県と変わらない低い数値であることを示し、理解を求めた。しかし、

「20名ほどの方が参加されましたが、『雪が溶けて地面に放射能が染み込む』『毒があるものを子供に食べさせられますか』といった意見が相次ぎ、感情的になって泣き出す方もおられ、ご理解いただけませんでした」(那覇市平和交流・男女参画課)

 ただし、話はもっと隠微なようだ。

「説明会に参加されたのは、話し言葉や名前、内容から考えてほとんどが内地からの避難者の方だったと思います。児童館を中心にして、避難者のコミュニティができているのです」(同前)

 地元住民は反対していないが、放射能を恐れて本州などから避難した人々が集団化して騒いでいるという。

 この後、青森の雪は市内の児童クラブ(学童クラブ)に運ばれて雪遊びイベントが開かれたが(2月28日)、地元の保護者らは「こんなときだからこそやりましょう」と快く受け入れ、子供たちは大喜びだったという。

「ボランティアだから」「善意でやっていることだから」では片づけられない「放射脳被害」が日本中に拡散している。

※週刊ポスト2012年3月23日号

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