国内

9割まで客足回復した松島 地場の魚介類で季節限定ランチ企画中

 日本三景・松島のグルメといえば、名物の牡蠣をふんだんに使った牡蠣丼である。ところが東日本大震災で牡蠣の養殖棚の8割が流出してしまった。観光の旗振り役、松島町商工観光班の太田雄班長は、こう振り返る。

「一時は松島産の牡蠣は使えないのではと焦りましたが、地元の漁師さんが急遽、山から竹を伐り出して新たに棚を作り、何とか牡蠣の養殖を続けることができました」

 同町は他の沿岸の市町に比べ、地震や津波の被害が奇跡的に少なく、2か月後に島巡りの観光船が再開。半年後に町内のホテルや旅館が本格稼働した。観光客は震災前の9割まで回復している。そこで、太田氏が「震災前に戻すだけでなく、さらに先に進もう」と観光協会とともに取り組んでいるのが、松島で獲れた魚介類を使った「季節限定春ランチ」だ。

「現在、旅館や食堂で試作している段階。もうすぐ観光客の皆様にお出しできます」(太田氏)

 官民が協力して作る「新たな名産」の完成が待ち遠しい。

※SAPIO2012年4月4日号

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