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森田健作知事がノリ気のアクアラインマラソンに地元は大困惑

“万年青春男”の森田健作・千葉県知事がぶち上げた「ちばアクアラインマラソン」(10月21日開催予定)をめぐって大騒動が持ち上がっている。

 これは房総半島の木更津市から東京湾横断道路(アクアライン)の「海ほたる」を往復する国内初の海上コースの市民マラソン。定員は1万5000人で4月12日から大々的に参加者募集が始まる。東京マラソンにライバル意識を燃やす森田知事は「海の上を走る夢のコースだ」と大張り切りなのだ。

 さぞや地元も盛り上がっているのだろうと思いきや、逆に猛反発を買っていた。

 というのも、当日はマラソンのために日中6時間にわたってアクアラインが通行止めされ、東京・神奈川方面から房総へのアクセスは東京湾を大きく迂回しなければならなくなる。房総にはマザー牧場、鴨川シーワールドなどのレジャー施設やゴルフ場がひしめき、日帰りのバスツアーも多い。通行止めしても代替道路がいくらでもある東京マラソンとは大きく事情が違う。

 挙げ句には、「当日は不要不急の高速道路のご利用は控えてほしいと周知する」(ちばアクアラインマラソン実行委員会事務局)という。つまり、“その日はできるだけ千葉に来ないでくれ”ということらしい。

 これを聞いた房総のホテル経営者はカンカンだ。

「観光客の大半は東京・神奈川からアクアラインを通ってくる。日中6時間も封鎖されたら客足は止まるし、迂回路も大渋滞する。秋の行楽シーズンのかき入れ時に知事は何てことしてくれるんだ」

 交通・観光業界には千葉県に損害賠償を請求する動きもある。慌てた県側は、地元のバス協会などに、「マラソン関係者の送迎バスを大量にチャーターするから騒ぐな、と押さえ込みにかかっている」(バス業界関係者)というが、知事の根回し不足は明らかだ。

 肝心なアクアラインの交通規制の許可もまだ正式には出ていない。前出の実行委員会の説明は苦しい。

「(使用許可は)NEXCO東日本さんにご協力いただけるものとして準備しております。最終的な手続きはこれからですが……」

 そもそも「マラソンは景色が変わるのを見るのも楽しみのひとつ。強風吹きすさぶ海上を延々と走るなんて……」(ある市民ランナー)という声も。森田知事の「アクアラインを封鎖せよ」大号令に、早くも暗雲がたちこめているのである。

※週刊ポスト2012年4月13日号

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