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高田延彦氏 “絆”ムードに違和感「他人に頼り切るのは迷惑」

 東日本大震災からはや1年3か月以上、原発問題はいうまでもなく、津波被害の復旧さえままならないこの国の現状に、多くの日本人が閉塞感を感じている。その反動だろうか、「夢」や「絆」といった誰も文句のつけようがないポジティブな言葉が、世間を覆っている。

 新刊『覚悟の言葉~悩める奴らよでてこいや!~』(ワニブックス)を上梓したばかりの元格闘家の高田延彦氏は、その現状に違和感を感じているという。以下、高田氏の言葉だ。

「もちろん、夢や絆という言葉が嫌いなわけじゃないんです。そういう言葉には、もともと良い意味しかありませんから。でも一方で、ポジティブな意味だから、みんなが、それをムリヤリにでも受け入れて、全員、右へならえをしなきゃならないっていう雰囲気は、どうなのかな?」

「私個人の気持ちでいえば、友達が多ければ良いとは思えないし、『夢を持て』って合唱したって、持てない人は持てないわけだから……あんまり、ポジティブを強要されると、追い詰められてしまう人たちだっているんじゃないでしょうか。私もそうです。いま夢なんか持ってないし、友人だって、他人に自慢できるような数じゃない」

「どうしても前向きになれない人は、あるがままで貫き通して生きても良いと思います。同じ意味で、繋がりたいポジティブな人は、そうやって生きれば良いわけだ。経済的な意味でも、政治的な意味でも、危機的な状況にあるからといって、一つの生き方だけが正しいってことにはならないはず」

「“親友”はいらない」
「いま輝いていないとしても、それでも生きる」

 一見、誤解を生みそうな言葉を次々と口にする高田氏だが、あえて時代の流れに逆行する真意はどこにあるのだろうか。

「親友はいらないといったのは、“親友”という言葉に代表される他人という存在に頼り過ぎるのはいかんのではないか、という気持ちがあるからです。苦しい時代になってくると、誰もが他人に期待したくなる。期待したくなるぐらいのレベルならまだしも、頼り切ってしまうのは単純に迷惑でしょう。

 他人に期待しすぎるとは、見方をかえれば、自分では何もやらないのと同じです。まずは、苦しいけど一人ずつで頑張ろう。それぞれの人が、それぞれの立つ場所で、自分のできることとやるべきことをやることが大切なのではないでしょうか」

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