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週5回以上自炊する女性 0回の人より10年後死亡率48%減少

 白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏が、「自炊」と「寿命」の関係について解説する。

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「外食するか家で食べるかを迷った時は、自炊を選べ」──そんな研究結果がケンブリッジ大学の専門誌「公衆衛生栄養学」に掲載された。

 論文の筆頭著者である台湾国立健康研究所公衆衛生学のロサリンド・チャユ・チェン博士は台湾に住む65歳以上の男女1888人を10年にわたって追跡調査した。最初に対象者の料理習慣、買い物習慣、食生活、教育、交通手段や喫煙習慣などといった生活習慣全般について、聞き取り調査をした。

 1999年から2008年までの10年間の調査期間中に659人が亡くなったが、興味深いことに週に3~5回料理をする女性は10年後の死亡率が32%減少、週に5回以上料理をする女性は全く料理をしない女性に比べて10年後の死亡率が48%も減少していることが明らかとなった。

「料理をする」と答えた男性は料理する女性の25%にとどまったが、週5回以上料理をする男性は料理をしない男性に比べて死亡率が減少する傾向が示された。

 チェン博士によると若い人、未婚の女性、教育水準の低い人、アルコールを飲まない人、タバコを吸わない人、咀嚼力のある人、伴侶と食事を共にしている人、認知機能が保たれている人、週に2回以上ウオーキングやショッピングをしている人、肉の摂取量が少ない人、野菜の摂取量が多い人ほど、家で料理をする傾向が強く認められた。

「料理をする人は、より栄養価の高い食事内容を選択する傾向があり、良い食事の質が寿命に好影響を与えた可能性がある」とチェン博士はいう。また、料理をする人はタバコを吸わず、アルコールの摂取量や肉の摂取量が少ない傾向にあるので、がんや心臓病などのリスクが低く、死亡率が低かったと考えられた。

※週刊ポスト2012年7月6日号

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