アンチエイジングに効果があるといわれるコラーゲンやヒアルロン酸、コンドロイチン。皮膚のキメを整え保湿効果や潤いを高めるため、サプリメントや化粧品のほか膝関節や肩関節の痛みを和らげるとして医療現場でも使われている。ところが、これらをしのぐとして大注目されている新成分がある。それがプロテオグリカンだ。
糖とタンパク質が結びついた複合体で、細胞と細胞の空間を満たし、軟骨として骨格的な役割をして、細胞を接着する足場の役割、細胞を増やす因子などを保持するなど様々の働きをしている。皮膚や軟骨などの柔軟性や弾力性、復元力を維持するために細胞膜を中心に体中に存在しており、1グラムで約6リットルの水を保持できるヒアルロン酸よりも保湿力が高い。
しかしプロテオグリカンの名前が一般になかなか浸透しなかったのは、その値段。牛の軟骨からしか採取できず、しかも膨大な手間と費用をかけても成分を丸ごと取り出すのが難しい。しかもわずかしか取れない。10年前は1グラム3000万円と途方もない値段だった。
その後、弘前大学で研究が進み、鮭の頭(尖端の軟骨)から安全に簡単に採取する方法が確立された。鮭の1尾の重さは4キロ前後で、頭部は500~600グラム。そのなかになんと約35グラムの鼻軟骨が詰まっている。ここから酢酸とエタノールで抽出するため値段が従来の1000分の1以下。捨てていた鮭の頭から、アンチエイジングの切り札の成分が取れた。
※週刊ポスト2012年7月20・27日号