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北方領土に本籍置く人194名 「子供達に故郷だと伝えたい」

 7月にメドベージェフ首相が北方領土の国後島を再訪。択捉島では、来年の供用開始を目指す新空港や、大型船が接岸できる船着き場の建設が進んでいる。こうしてロシアが不法占拠の既成事実化を進める中、そこが日本領土である確かな証を残すため、本籍を移す人が着実に増えている。

 北方領土に本籍を置く日本人は194名(2012年6月現在)。ここでは、その中の4名に本籍地を置くに至った理由を尋ねた。

■木下孝氏(標津町議会議員)
「昭和20年まで歯舞群島の秋勇留島に住んでいました。ロシア化が進む北方領土について、日本領土であることを元島民が生きている間に伝える義務があると感じ、移しました」

■小泉敏夫氏(不動産業)
「19年前に生まれ育った色丹島に移しました。第二次世界大戦出征のために島を離れてから、戦後ソ連軍に占領されて戻れないままであることに長年憤りを感じてきたからです」

■臼田誠治氏(会社社長)
「7歳まで歯舞群島の志発島に住んでおり、北方領土の返還運動の一環として15年前に決意して移しました。日本国民が住んでいたという証を残すためにも、必要だと思います」

■宮谷内亮一氏(無職)
「平成17年2月7日北方領土の日に移しました。戦後60年経ったにもかかわらず、かつて住んだ国後島返還のめどがたたないので、子供たちに故郷であることを伝えるためです」

※週刊ポスト2012年8月10日号

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