みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、火葬に代わる葬送方法について考察する。
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一部地域の高額な火葬料金、そして火葬場すらない自治体。火葬船や海底火葬場なんていうアイデアもあるようだが、もうこの際、火葬にこだわらなくてもいいじゃん。そうとすら思いはじめた。
だから私は火葬も遺骨もいらない。なんか火葬以外の方法はないんですかね? 電子レンジを大型化させることはできないんだろうか? 最後に「チ~ン!」っていうのも葬式っぽくっていいじゃない。
と、思っていたら、アメリカのフロリダ州の葬儀場で“バイオ火葬”なる処理法が実用化されたというニュースが去年報道されていたらしい。加圧した水と水酸化カリウム、電熱で、土葬と同じような化学反応をわずか2~3時間で遺体におこして、きれいに骨と灰にする方法なんだとか。
二酸化炭素の排出量も従来の火葬に比べて少ないエコな点もウリのひとつ。費用は約650ドル(約5万円)と従来の火葬費用約500ドルよりちょっと高め。時間も火葬よりかかってしまうみたいだ。
でも、考えている人は考えているんだね。ニッポンのモノづくりの技術力からすれば、火葬に代わる画期的な設備が作れそうだけどなぁ。どこか開発してくれないんだろうか。
※週刊ポスト2012年8月31日号