夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(50歳)がカード会社勤務の奥様(48歳)。今でも出勤前のチューは欠かしませんし、深く愛されてると信じている奥様です。
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最近、大学生の長女の帰宅が遅いので、主人に説教してもらうことに。私も、娘の部屋のドアの外で立ち聞きです。「パパはお前のことをすごく大事に思ってるんだぞ」そうよ、ママも同じよ。
「例えば、ママが殺されたとする。パパは警察に頼んで犯人を捕まえてもらい、絶対に死刑にしてもらう」そうよね、あなた! そう思うのは当然だわ。ドアの外から静かに主人の言葉に拍手です。
「もう一度いうぞ。ママが殺されたら、警察に捕まえてもらい、死刑にしてもらう。でも、お前の場合は違うぞ。もし、お前が殺されたら、パパはどんな手段を使ってでも犯人を捜し出し、自分のこの手で犯人を殺し、愛する娘の仇を討つ。ママとは比べものにならないほどのお前への愛。それをわかってほしいんだ」拍手の両手が途中で止まりました。そんなに私と娘じゃ差があるわけ?
しかも、娘の「パパって私が思ってたほど、ママを愛してないんだ」の言葉に、「昔はともかく、あんなに太っちゃうとなあ。ここだけの話だけどさ」って、ぜ~んぶ聞こえてるわよ!
※週刊ポスト2012年9月14日号