「エゴサーチ」とは、自分の名前をグーグルなどのインターネットサイトで検索して、自分に対する評判を確かめる行為を指す。クリック一つで評判が分かるのだから、便利といえば便利だ。だが中には、検索してはいけないことがある。いまネット社会で新たに問題になり始めたエゴサーチの事例を紹介しよう。
例えば検索すると、必ず自分が出てくるわけではない。“同姓同名の赤の他人”に出会うこともある。
■47歳男性(土木関係)
「自分を検索したら、同年齢で同姓同名の見ず知らずの人物のフェイスブックが出てきた。彼は都内で高級マンションに美人の奥さんと可愛い子供2人と暮らし、日曜にはキャンプに出かけ、年末には家族でハワイ旅行していた。家族もおらず、毎日現場で泥まみれになり、コンビニ弁当を食べている自分が本当に惨めで、涙が出てきた」
何が悲しくて、自分と同じ名前の人の境遇を羨ましがらねばならないのか。だが、これはまだマシなケースだ。自分ではない誰かのために不当な扱いを受けるケースも実在する。
■53歳男性(無職)
「会社をリストラされ、仕事を探すためにネットも使いますが、ふと自分を検索して驚いたのは、同姓同名・同年齢の窃盗犯の記事がたくさん出てきたこと。何度面接を受けても採用されないのは、これが原因なのではと思ったが、もはやどうすることもできない」
実際、企業が採用予定者の名前をネット検索するケースも多い。あるIT系のベンチャー企業では、採用予定者のメールアドレスを検索し、ヒットした情報から採用を決めたという例もある。この男性のように同姓同名の犯罪歴が出れば、敬遠してもおかしくはない。
※週刊ポスト2012年10月26日号