芸能

『純と愛』の脚本家 武田鉄矢に「悪い役をやって死んでくれ」

 兄がキャバクラで働く女の子を妊娠させたり、父がその妊娠を金でもみ消そうとしたり――およそ“朝ドラ”には似つかわしくない展開を見せるNHK『純と愛』。なかでも娘の言葉など聞く耳持たず、ヒロイン・純を叱り飛ばすアクの強さで存在感を出しているのが武田鉄矢(63才)。視聴率18%台と好調を続けるなか、撮影現場の裏話や脚本家・遊川和彦さんの狙いとは。

 ドラマは、正義感が強く、信じた道をひたすら真っ直ぐ突き進むヒロイン・狩野純が“人の本性が見える”不思議な力を持つ青年・待田愛(風間俊介・29才)と出会い、ふたりで数々の騒動を乗り越えてゆくラブストーリー。犬猿の仲である父・善行と衝突しながらも、家業のホテルを再建するという理想を目指して突っ走る純と、そんな彼女を全力でサポートする愛を個性的な登場人物たちがぐるっと取り囲み、ハラハラドキドキで目が離せない展開が続く。

 脚本を担当するのは昨年、視聴率40%超を記録した『家政婦のミタ』(日本テレビ系)を書いた脚本家の遊川和彦さん(57才)だ。

 遊川さんと武田の出会いは3年前、NHKドラマ『リミット 刑事の現場2』(2009年)にさかのぼる。遊川さんとプロデューサーから、悪役刑事としての出演を依頼された武田は最初、「あまり暗くて重いストーリーはちょっと…」と即答を渋った。

「すると遊川がいきなりキレた(笑い)。『おれはADから脚本家になって必死にやっているんだ。ぐずぐず文句言わず、出てくれてもいいじゃないですか』って。タレントを前にしてですよ(苦笑)。勢いに押されて役を引き受けたけど、あんな口説かれ方は初めて」(武田)

 出会いは衝撃的でも、このドラマを通じて信頼関係を結んだふたり。

『純と愛』でも遊川さんの意向で再び白羽の矢が立った。出演依頼時、遊川さんはまたしても“変化球”を投じた。

「『あんたは俳優になって40年間も良い役ばかりやっているので、ここからは悪い役ばかりやって死んでくれ』って(笑い)。確かに善行は強烈に悪い父親なのでどうしようかと思ったけど、60才過ぎて新しい役どころも面白いかなと挑戦を決めました」(武田)

※女性セブン2012年11月8日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン