またしても原発マフィアの電力恫喝行政が始まった。10月24日に開かれた政府の需給検証委員会で資源エネルギー庁の糟谷敏秀・電力ガス事業部長が、
「電力会社を黒字にするには、原子力発電所の稼働か、料金値上げのいずれかしかない」
と発表すると、待ってましたとばかりに関西電力や九州電力などが相次いで料金引き上げの方針を発表し、値上げの波が全国に広がっている。一足早くこの9月分から値上げした東京電力管内の家庭や商店、事業所には、いま、新料金での高額請求書が届いている。
千代田区内のコンビニ経営者は請求書の金額に目を丸くした。
「コンビニは冷凍・冷蔵庫で電気を多く使う。うちは値上げで電気代が月に5万円も増えた。東電の説明では12.7%の値上げだったはずなのに、残暑もあって前年同月比で3割以上のアップです」
それでも国民は政府の電力不足キャンペーンで、「電力の安定供給のためなら値上げも仕方がない」「原発を減らすにはやむを得ない」と思い込まされている。
※週刊ポスト2012年11月16日号