芸能

元鉄人・陳建一が選ぶ名勝負 坂井宏行とのオマール海老対決

 新番組『アイアンシェフ』(フジテレビ系)とタイトルを変えて、13年ぶりに復活した“料理の鉄人”。過去には鉄人対鉄人のこんな名勝負があった。

 唯一、番組の最初から最後まで92回戦った『四川飯店』社長の陳建一さん(56才)。史上最長の17連勝の記録を打ち立てた。新『アイアンシェフ』では第1回目に息子・建太郎さん(32才)を挑戦者として送り込んだ。

「息子は中華の脇屋さんと戦って負けたけど、頑張ったよ。ああいう戦いはなかなか経験できないからね。勝ち負けは関係ない、今のお前の力なんだから、しっかりやりなさいって送り出したんだ」

 と言う陳さんだが、初めて負けた時は悔しかったという。

「悔しくて家に帰らなかった。何やってんだ、おれってね。多摩川の土手に行って、川に向かって、石を投げてたもんね。落ち着いたら、ああすればよかったって、反省があるんだ。あの番組を通して精神力がついたと思うよ」

 当初は負けることも多かった陳さんだが、それが17連勝の新記録。

「審査員をお客さんとして扱うようにしたの。どうしたらこの人たちが喜んでくれるかという方向に転換してね。料理を作っていると彼らの声が聞こえるから、辛いのが嫌いな人には辛くならないようにしたり、女性のプレートは量を少なくしたり、箸で一口で食べられるよう工夫しておいた」

 その陳さんが名勝負に選んだのは、戦友・坂井宏行シェフとのオマール海老対決(1999年9月24日・鉄人ワールドカップ)。

陳「レギュラー放送最終回になった、最強鉄人決定戦でした。おれと坂井さんは戦友みたいなもの。一緒に番組を支えてきたという思い入れがあるんだよ。全力を振り絞って、今持っているものを全部出そうと思って戦ったね。そしたら終わった後に、坂井さんが泣くからおれももらい泣きしちゃって。

 おれたち芸能人じゃないから、泣きなさいと言われても泣けないけど、あのときは素のまま。だから料理の味がしょっぱかったんだよ~。1点差でおれが負けたけど、そんなこと、どうでもいいよ」

※女性セブン2012年11月22日号

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