夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、家具メーカー勤務のご主人(49歳)。奥様(52歳)のアンチエイジング法は思い込みです。
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鏡の前で一人二役を演じるのが妻の日課です。「鏡さん、鏡さん、若くてキレイなのは誰?」「それはあなたよ」などと、白雪姫の継母のようなセリフで、納得の表情をしています。「当年とって」と、10歳サバを読むギャグがありますが、妻は年齢を聞かれると、10歳若く「42歳です」と答えるのが習慣。でも、先日、街頭アンケート用紙を渡された時にこんなことが。
妻が年齢の欄にいつものように「42歳」と書いたら、係の男性が「違いますよね? 干支は何ですか?」「乙女座です」「違いますよ! 星座じゃなくて、干支です!」「AB型です」「もういいです!」。
呆れてましたね。僕より3歳年上なので、「若く見られたい」という妻の気持ちは痛いほどわかりますし、僕もそんな妻を責める気はありません。でも唯一「最後まで貫き通せよ」と思うのは、一緒に映画を見に行った時です。窓口で「私、52歳です」と妻。「夫婦のどちらかが50歳以上だと2000円で済むんだもん」って、それもわかるけどさ、でも、何か納得できないんだよなあ。
※週刊ポスト2012年11月23日号