2003年に全国12チームで発足した15人制ラグビーの社会人リーグ「トップリーグ」は、今年で節目となる10年を迎えた。
今季は8月31日に開幕。来年1月末のプレーオフトーナメントに向けて、すでに中盤戦の8節までが終了した。現時点では、昨年、トップリーグと日本選手権を制覇したサントリーが前評判通りの強さを発揮し、8戦全勝で首位を堅守。それを神戸製鋼(7勝1分)、東芝(6勝2敗)が追いかける展開となっている。
今季のトップリーグの一番の見どころは、なんといってもグラウンドを彩る外国人トップ選手の存在だ。
これまでは選手生活の晩年に、ピークを過ぎた状態で来日する選手が多かったが、今ではまさにピークを迎えている選手が急増している。
その面子がすごい。ラグビー強豪国であるニュージーランドやオーストラリアを代表するようなスター選手ばかりで、野球で例えるならば、デレク・ジーターやアレックス・ロドリゲスが、最盛期に日本でプレーしているようなものなのだ。
なぜこのような状況が生まれているのだろうか。ラグビージャーナリストの村上晃一氏が解説する。
「英国やフランス、オーストラリアなどのプロリーグと比較して、日本のトップリーグは期間も試合数も少なく、体の負担が少ない。その割に年俸もよく、練習環境や生活する上での治安もいい。海外のスター選手たちはこうした好条件に目をつけ、日本を訪れるようになりました。もちろんこの背景には、現在のトップリーグのレベルの高さが、海外から認められたという証でもあります」
今季は、昨年のワールドカップ(W杯)で優勝したニュージーランド代表「オールブラックス」から、ロックのブラッド・ソーンがサニックスへ、フルバックのミルズ・ムリアイナがNTTドコモ、フランカーのジェローム・カイノがトヨタに所属するなど、ビッグネームが次々に日本の土を踏んでいる。
※週刊ポスト2012年12月7日号