良い看護師か悪い看護師かを判断するには、「実際に病院に行かなければわからない」という人も多いだろう。
そこで、「良い看護師に巡り会える病院」の見分け方として、看護師専門の求人サイトをチェックすることをオススメしたい。一般企業では「人事・採用」がその会社の質を客観的に判断する材料になっているが、それは病院でもまったく同じように当てはまるからだ。
現役看護師で作家の宮子あずさ氏と、看護労働に詳しく『看護崩壊』の著書もある労働経済ジャーナリストの小林美希氏の両氏に、良い看護師と巡り合うための看護師求人サイトの見方を解説してもらった。
【「経験者限定」は要注意】
「経験5年以上」「病棟勤務経験者」というように、募集を経験者に限定している病院があるが、「ベテラン揃いで良い」と判断するのは落とし穴だという。
「経験者しか採らない病院は新人を育てるつもりがなく、経験者を使い捨てにしている可能性があります。一方、新卒を採用し、若手の教育・研修が充実している病院は、病院の理念や看護技術を一から教え育てようとする意欲があると考えられます」(宮子氏)
もちろん後者の病院では看護師の粒がそろい、一定以上のレベルの看護を受けられる可能性が高くなる。
【「正社員」のみを募集する病院は○】
「パート」募集を頻繁に出しているような病院は、正社員が定着せず、「パートでもいいから」と看護師をかき集めようとしている可能性が大。逆に「正社員」のみを募集する病院は、看護師の定着率が高いと考えられる。
「長期入院する患者さんにとっては、コロコロ看護師が代わることなく、継続性のある看護を受けられます。また、正社員を雇える病院は資金力があるといえ、施設面も充実しているといえるでしょう」(宮子氏)
【看護師数とともに職員数も参考に】
患者数に対して看護師の数が多ければ多いほど、手厚い看護が期待できるのはいうまでもない。それに加えて、看護助手などの職員数も多いほうがいいという。
「看護師だけ多くても、看護助手が少なければ、掃除から洗濯まですべてを看護師がやらなければならなくなり、雑用で忙殺されてしまうからです」(宮子氏)
※週刊ポスト2012年12月7日号