ビジネス

2012年後半の『笑点』高視聴率は景気弱含み示すサインの説

 経済活動の主体が市井の人々であるからこそ、身近なデータから景況感を読み解くことが可能だ。そうした「景気のジンクス」について、三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト・宅森昭吉氏が解説する。

 * * *
 2012年後半、足下の景気は足踏み状態だった。たとえば9月の景気動向指数(速報値)では景気の現状を示す一致指数が6か月連続の下降となり、内閣府は基調判断を「下方への局面変化」に下方修正、「すでに景気後退局面に入った可能性が高い」と発表した。

 こうした景況感の悪化は、身近な事象にも表われている。たとえば、8月まで約半年にわたって減少していたもやしの売り上げが、9月に増加に転じた。もやしは価格が安く栄養もあるので、財布を引き締めたい人が手に取りやすい食材だ。景気悪化時に売り上げが増える傾向にあり、企業倒産による負債総額のデータとほぼ連動している。

 また、人気テレビ番組『笑点』(日本テレビ系)が、10月から部門トップの視聴率を獲得し続けていたのも景気弱含みを示すサインだ。『笑点』は、景気が悪くなると「暗い気分を笑いで吹き飛ばしたい」という人々の心をつかみ、視聴率が上がる傾向にある。日曜夕方に外出せず家でテレビを見ている人が多いのも、消費者マインドの悪化を示しているといえる。

 こうした景気の「ジンクス」は、これまで偶然とはいえない確率で景気動向や株価と一致しており、決してあなどれない「経済指標」のひとつだ。経済活動の主体はほかでもなく市井の人々であり、彼らのマインドが景気を動かしているからだ。

※マネーポスト2013年新春号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン