国内

約4000人いる国会職員 国家公務員法の適用を受けない特別職

開会式で天皇陛下を迎えるときなどに開けられる議事堂中央玄関扉

「開扉(かいひ)!」──。衛視が号令すると、普段は閉ざされた中央玄関の扉がいっせいに開かれる。衛視の警備の中、衆議院議長は、開会式に出席する天皇陛下を迎え入れる。憲法で「国権の最高機関で唯一の立法府」と定められている国会の幕開けである。

 この号令を発する衛視を含め、国会では、議会を円滑に進行するため、多くの裏方たちが奔走している。約4000人いる国会職員たちである。彼らは、議員の国会での活動を補佐する国家公務員であり、国家公務員法の適用を受けない特別職である。仕事は大きく分けて、会議運営と警備の2つである。

 本会議の運営を受け持つのが議事部だ。国会で審議される法案は、まず議案課が窓口になる。ここで、手続き上必要な要件を満たしているのかなどをチェックし、その後、議長の決裁を受けて初めて法案が提出された状態となる。

 本会議が法規や先例にのっとって運営されるようにサポートするのは議事課の仕事だ。本会議前には質疑応答などをとりまとめ、議長が議事進行の参考にするための発言要旨をまとめた「次第書」を作成する。

 だが、審議は想定通りに進むとは限らない。法案の強行採決や緊急動議の提出など不測の事態にも対応できるよう、常に何通りものシミュレーションを行なって準備を進める。また、本会議が深夜に及べば、職員はその間ずっと議長の議事進行を補佐し続けなければならない。

 この議事部以外にも、委員会を補佐する委員部、議員のために法案の論点整理や関連資料を用意する調査部、議員立法を手助けする法制局など、その仕事は多岐にわたる。

撮影■太田真三

※週刊ポスト2013年2月15・22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン