どんなに真面目な人でも、どんなに優しい人で、要らぬひと言ですべてをダメにしてしまう──。神奈川県に住む主婦のAさん(46才)の夫(51才)は、そんな“口が災い”の典型的なバカ夫。「そのひと言さえなければ…」を何度も繰り返す、夫のバカエピソードをAさんが披露する。
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うちのダンナって、基本いい人なんです。足の悪い私の母の病院の送り迎えは、いやな顔ひとつしないでしてくれるし、引っ越しの手伝いなんかさせたら誰より働きます。
なのに人望がない。学生時代からの友達はいるけど、めったに飲み会に呼ばれません。「お前が来ると不愉快になる」と言われて。
原因は夫の無神経すぎる口。たとえば、泊まりがけで数日、遊びに来てた私の母親が帰る朝。夫に向かって「お世話になりました」と挨拶するじゃないですか。すると「はい、お世話しました」と。
これくらいなら「あはは」で済むのに「お義母さんは老い先短いから、あの世に行くまで何回、娘と孫の顔を見られるかわかんないですからね」とまで言うんですもの。
このときは夫の性分をよくわかっている母も、口をポカンと開けてました。「なんであんなことを?」って。その夜夫に聞いても「ひゃははは、冗談キツかったかな」と反省する様子はまるでないの。
いや、身内にだけ口で災いを起こしているならいいんです。しばらく前に、近所の新築祝いに呼ばれたのがよほどうれしかったんでしょう。
上機嫌で、最初は当たり障りのないお祝いの言葉を言ってたんですけど、そのうちいちだんと高い声で「それにしてもよく買えましたね~、安月給で」と、すごく朗らかに言ったんです。
一瞬、シーンと静まり返りましたよ。ここで「いやいや、これは失礼」とか頭でもかけばまだ許されたと思うんです。ところがうちの夫ったら「あれーっ。本当のことを言ってマズかったかな。ヒャハハ」と笑うんですもの。「なんだと、この野郎!」って胸ぐらつかまれてました。
※女性セブン2013年2月21日号