ライフ

同じ病気の入院でも月をまたぐと7万円近くも多く払うケースも

 急に入院することになった場合、多くの人が考えるのがその費用のことだろう。しかしある限度を超えると、それ以上の費用負担はしなくてすむ制度がある。

 健康保険には「高額療養費」(*注)という制度があり、1か月の医療費が自己負担限度額(年齢や所得などで異なるが一般的には月8万100円)を超えた場合、超過分の支給を受けられる。しかし、この「1か月」という部分に罠が潜んでいる。実は、同じ月内の合計でなければならないのだ。
 
 たとえば、1か月(4週間)の入院で、ある月の1日に入院し、その月の28日に退院し、15万円の医療費負担額がかかったとすると、高額療養費制度の対象となる。自己負担が月に8万100円を超えた場合に差額が払い戻されるので、この場合は6万7570円が戻ってくる。

 しかし、これが15日に入院して月をまたいだ翌月13日に退院したのなら、総額が同じ15万円だとしてもそれぞれの月では負担が8万100円を超えないため(7万5000円ずつ)、制度の適用外となる。
 
 つまり全く同じ内容の入院でも、月をまたぐと7万円近くも損をすることになるのだ。ある程度の時間的余裕のある手術の場合、「仕事の都合で来月始めからのほうが有り難い」などと病院側に説明して入院時期を調整するのが賢い方法だ。

【*注】高額療養費/月の初めから終わりまでで、年齢や所得に応じた自己負担限度額を超えると、健康保険組合などに申請すれば超過金額が組合などから戻ってくる制度。70歳未満で月収(標準報酬月額)53万円未満の『一般所得者』なら、自己負担限度額は医療費26万7000円(3割の自己負担は8万100円)以上になる。

※週刊ポスト2013年2月15・22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン