ライフ

寒ブリ以外の魚は大寒から彼岸までに漁獲されると「寒」付く

 高木道郎氏は1953年生まれ。フリーライターとして釣り雑誌や単行本などの出版に携わり、北海道から沖縄、海外まで釣行している。その高木氏が、魚の旬について解説する。

 * * *
 寒鰤寒鯔寒鰈。これは冬に美味しくなる魚を並べたものだが、水温が低下する寒の時期に旬を迎える魚はブリやボラやカレイに限らない。

 メジナ、ブダイ、フグ、アンコウ、スズキ、マグロ、ハタハタ、ワカサギ、コイ、フナなど多くの魚たちが冬になると脂肪を蓄えて美味しさを増す。淡水と汽水の旬魚を並べた「寒鮒寒鯔寒鱸」という言葉もある。

 夏が旬とされるイサキだが、冬に釣れるイサキも脂が乗って美味しい。冬の魚は低水温に備えて脂が乗るだけでなく、寒さで身が締まっているイメージがある。

 旬とは食べ頃や出盛り時期を意味する言葉だが、魚の旬はなかなか難しい。夏魚とされるスズキが本当に美味しいのは冬であり、脂の乗りは料理方法により評価が分かれる。イサキやシロギスのように抱卵時期の魚が旬と呼ばれるケースもあれば、逆に春のクロダイなどは卵に栄養を取られて美味しくないとされる。

 また、おもしろいことに同じメジナでも口太の旬は冬なのに、尾長(クロメジナ)は夏が旬である。見た目がそっくりなブリとヒラマサの旬も冬と夏に分かれるから不思議だ。

 ちなみに、寒ブリの寒は立春前30日(1月5日~2月3日)のことを言うが、魚の世界ではここから彼岸(3月21日頃)までに漁獲された魚すべてに「寒」の字が付けられる。

 冬は寒メジナや寒ガレイ、春はメバルやマダイ、初夏はシロギスやイサキ、夏は尾長やアナゴ、秋はクロダイやカワハギというように、昔は旬を追いかけて釣りの年間スケジュールが決まり、それが特定魚種の釣りすぎを防いでいた。しかし、最近は旬に関係なく人気魚種を追いかける釣り人が多くなった。

※週刊ポスト2013年3月15日号

関連キーワード

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
大河撮影前に2人で北海道旅行をしたという(時事通信フォト)
吉高由里子、セレブ恋人との結婚は『光る君へ』クランクアップ後か 交際は事務所公認、大河スタッフも“良い報告”を楽しみに
週刊ポスト
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン