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タクシー運転手述壊 バブル期1000円程の距離に3万円出す客も

 株価上昇、賃金アップと多くののメディアは「アベノミクス礼賛」ムード一色に染まる。だが、本当に景気はよくなっているのか。本誌は景気を肌身で感じている東京のタクシードライバー100人に緊急調査を実施した。
 
 春の陽気に包まれた3月15~20日にかけて、都内のタクシー運転手を対象に景気回復の実感、実際の売り上げや実車距離などを聞き取った。ここでは前回のバブルと今回の状況を比べての感想について報告する。

 好景気の代名詞・バブル。当時、運転手をしていた世代のみを対象に、同じような雰囲気を感じるか否かを自由回答で問うた。皆、判で押したように「全然違う」といい、当時の凄まじいエピソードを明かす。
 
「一日の売り上げが7万~8万円で10万円を超える日も珍しくなかった。今じゃあ、半分以下」(法人)

「予約の上客ばかりで、万札を路上でヒラヒラさせる人がいても中央線を走って無視していた」(個人)

「チップが凄い。1万円で釣りはいらないというお客がざらにいた」(法人)

「予約客を待ちながら、路上のお客と値段交渉した。タクシーがつかまらず、1000円程度の距離に3万出す人もいた」(個人)

「都内から逗子まで貸し切り往復12万円。狂っていた時代で、あんなことはもう二度とない」(法人)

 万札を握りしめながら、必死でタクシーをつかまえようとする者が実際に路上にいた時代。さすがにあそこまで熱に浮かされたようなバブル景気の予兆を感じると答えた運転手は皆無だった。

※週刊ポスト2013年4月5日号

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