ビジネス

【日本株週間見通し】思惑的な値動きで波乱含みの相場展開も

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の4月8日~4月12日の動きを振り返りつつ、4月15日~4月19日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。外国人投資家による「日本買い」が本格化するなか、日経平均は2008年7月24日以来、約4年9ヶ月ぶりに13500円を回復した。週明けの東京市場は日銀の大胆な金融緩和を背景に、金融緩和メリット銘柄として、不動産、銀行、その他金融、証券など金融関連セクターが軒並み強い値動きをみせたほか、為替の円安進行を背景に自動車など輸出関連などへも買いが向かった。

 為替市場でドル・円が1ドル99円台と約3年11ヶ月ぶりの水準に円が売られ、11日のNY市場では一時99円95銭と大台まであと5銭まで円安・ドル高が進んだ。週末こそオプションSQに絡んだ商いの歪みなどが影響したほか、過熱警戒感に伴う利益確定、北朝鮮情勢への警戒などから反落となったが、不動産への物色が続くなど、日銀の金融緩和を受けた買い意欲の強さが窺えた。

 ここにきて再び不動産、銀行、自動車など各セクターに対する投資判断の引き上げが相次いでいる。いったんは緩和を織り込んだとの見方から利食い推奨などもあっただけに、外国人投資家による日本株へのニーズの強さが感じられる。

 円安一服や北朝鮮情勢リスクを背景に仕掛け的な売りによって、下押す局面もみられたが、その後の急速な切り返しにより、押し目買い意欲の強さも表れていた。先物市場ではゴールドマン・サックスによる大量のTOPIX買いが観測されており、投資信託の基準値到達による繰上げ償還に伴う売りを吸収する強さだった。

 なお、今週は米国でゴールドマン・サックスやインテルなど主要企業の決算発表が本格化する。4月15日が個人確定申告の期限であるため、節税目的での年金資金の流入が一巡する可能性もあり、米国の動向次第では上値の重しとなる可能性がある。国内では小売企業の決算が続いたが、好決算ながらもコンセンサスを下回ったとして利益確定の流れが強まる銘柄も目立っており、次第に神経質な相場展開に向かう可能性もありそうだ。

 一方、為替市場ではドル・円の1ドル100円乗せがカウントダウンとなった。100円手前では大量のドル売りなどから攻防が続いているが、黒田東彦日銀総裁による異次元の金融緩和策の導入により、3ケタ乗せはそう遠くないとみられる。また、100円乗せのトリガーによって一段の円安が予想されるなか、日本株の先高期待も依然として大きいだろう。

 今週は18、19日にG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。黒田日銀総裁が国際会議にデビューするが、円安をめぐり議論が再燃する可能性がある。こうした圧力をかわすことができるかが焦点となり、為替相場のトリガーになることも考えられる。G20前に様子見というよりも思惑的な値動きが強まりやすく、一段の円安・株高が意識されるなか、主要銘柄への資金流入が膨れることも考えられる。膠着というよりは、やや波乱含みの相場展開を想定しておいた方が良さそうである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン