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同企業社宅内格差 上司の子供のボディガードは部下の子供

「ママカースト」とは、父親の年収や職業で決まってしまうママ友の序列のことをいう。ならば、同じ会社に勤めていれば格差は小さくなるのかというと、そうはいかないらしい。

 何と、同じ企業のなかでも格差があるのだという。

「例えば同じ自動車会社でも、父親が研究者やエンジニアといった花形部署の家庭の妻は“様”づけ。営業や事務など一般的な職種の人は“さん”とか“ちゃん”付けで呼ばれる。ひどい場合は呼び捨てだが、実はそれより下があるんです」

 と話すのは、Cさん(40代・専業主婦)である。Cさんが、別のグループの母親について「あの人のご主人は○×自動車様だから」と話題をふると、仲間にすかさずこういわれたという。

「いいえ、あの方、“なんちゃって”よ」

“なんちゃって”は、本体ではなく、その関連会社勤務の場合に用いる呼称だという。

 社宅住まいでは、父親の地位による上下関係はより厳しいものになる。

「カネがあるはずなのにいつまでも社宅に居残っている部長の妻がトップに君臨。以下、課長、係長と、会社の地位がそのまま妻の地位になる。夫の仕事に影響しかねないので、下層の人は絶対服従です」

 というのは、神奈川県在住のDさん(30代)。この上下関係は、子供の学校生活にまで直結する。

「母親が“□△ちゃんのご機嫌を損ねないようにね”とクギを刺すので、部下の子供は上司の子供に逆らえません。住んでいるところが同じなので、登下校も一緒だから、カバン持ちをやらされるのは日常茶飯事。上司の子供が下級生の場合、年上の部下の子がボディガード役になる」(Dさん)

 父親が会社で感じる以上の屈辱を、妻や子は家や学校で味わっているのかもしれない──。

※週刊ポスト2013年4月26日号

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