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【ドル円週間見通し】GWで東京市場閑散も米雇用統計に注意

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月29日~5月10日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週・来週のドル・円は、東京市場がゴールデンウィークで閑散取引となる中、米国4月の雇用統計、欧州と英国の金融政策を見極める展開となる。

 ドル・円は、経済・物価情勢の展望(展望リポート)や黒田東彦日銀総裁の会見が4月4日の日本銀行金融政策決定会合の異次元の量的・質的金融緩和のサプライズを超える内容では無かったことで、100円のカベが上値を抑える展開が予想される。

 しかしながら、本邦政府系機関投資家が資金運用計画で外貨建て資産への資金配分を増額するとの観測、朝鮮半島の地政学的リスクが払拭されないことで、下値は限定的。

【政府系機関投資家の外貨建て資産への投資増額期待】
 生命保険会社の今年度の資金運用計画では、外貨建て資産への資金配分の増額が予想を下回った。今後は、政府系機関投資家(年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)などの資金運用計画での外貨建て資産への資金配分を注目する展開となる。

 外貨準備を運用する海外の中央銀行や政府系ファンド(SWF)は、円を保有するリスクを回避しつつあり、資金流出懸念が高まっていることも、円売り要因となる。

【連邦公開市場委員会(FOMC)】(30-1日)
 連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国の景況感が歳出強制削減の影響で低迷していることで、金融政策の現状維持決定が予想される。4月24日付けの米国連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは、3兆2760億ドルだが、量的緩和第3弾(QE3)により850億ドルの債券購入が継続することで、ドル売り要因となる。

【米国の4月雇用統計】(3日)
 米国の4月の雇用統計は、失業率が7.6%で3月の7.6%と変わらず、非農業部門雇用者数は、前月比+14.5万人の増加で、3月の+8.8万人から増加することが予想されている。

 非農業部門雇用者数が予想通りに前月比+14.5万人程度の増加となった場合、失業率低下の条件である+15~20万人の下限付近となるが、出口戦略の条件となる、過去6ヶ月の平均が20万人以上の条件を依然として満たさないことになる。

【日本の3月経常収支】(10日)
 日本の3月の経常収支は、2月の経常黒字+6374億円に続き、経常黒字が予想されている。経常収支が2ヶ月連続して黒字を記録することで、円売り圧力を抑制する要因となる。
 
 日本の4月上中旬の貿易収支は、上旬の貿易収支が-6108.51億円の貿易赤字だったことで、貿易赤字が予想されることで、円売り要因となる。

 4月29日~5月10日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)4月消費者信頼感指数 -- 30日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、59.8
 米国株式市場は上昇、下落を繰り返しているが、総じてやや底堅い動きを見せている。雇用情勢の回復ペースは緩やかであり、失業率は7%台後半で推移している。住宅市場はまずまず順調、製造業の業況はまちまちであることから、消費者信頼感指数は小幅改善が予想される。

○(米)4月ADP雇用統計 -- 5月1日(水)日本時間午後9時15分発表
・予想は、+15.0万人
 調査期間である4月12日の週を含む新規失業保険申請件数は、35.2万件←3月33.6万件とやや増加した。4月分の失業保険継続受給者数はやや減少している。雇用者数は3月実績と同水準か若干下回る可能性がある。

○(米)4月ISM製造業景況指数 -- 5月1日(水)日本時間午後11時発表
・予想は、51.0
 先行性のある同指標内訳の3月「新規受注DI」は51.4←2月57.8と低下している。既公表の4月の各地区連銀指数は、NY、フィラデルフィア、リッチモンドは低下。新規受注DIの低下を考慮すると数字の下振れに注意すべきか。

○(米)3月貿易収支 -- 5月2日(木)日本時間午後9時30分発表
・予想は、-420億ドル
 3月ISM製造業の内訳「輸出受注」DIは56.3←2月53.5、「輸入」DIは54.0←同54.0だった。輸出拡大、輸入横ばいとなったため、赤字縮小要因。4月中の原油価格は低下していることから赤字縮小の要因となる。貿易赤字幅は2月との比較で縮小する可能性がある。

○(米)4月雇用統計 -- 5月3日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、非農業部門雇用者数は+14.5万人、失業率は7.6%
 調査期間である4月12日の週を含む新規失業保険申請件数は、35.2万件←3月33.6万件とやや増加した。4月分の失業保険継続受給者数はやや減少している。雇用者数は3月実績を上回る増加となる可能性が高いが、3月実績は上方修正される可能性がある。労働時間に大きな変化はなく、失業率は7.6%で横ばいとなる見込み。

 主な予定は、29日(月):(米)3月個人支出、(米)3月中古住宅販売仮契約、30日(火):(日)3月完全失業率、(日)3月鉱工業生産指数、5月3日(金):(米)4月ISM非製造業景況指数、5月10日(金):(日)3月国際収支

【予想レンジ】
・ドル・円96円00銭~101円00銭

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