ビジネス

日本の会議 「これは重要問題…」で開始「結論難しい」で終了

 会議とは本来、関係者による意思決定のための集まりである。ところが、日本企業での会議は、準備に時間がかかり、会議そのものにも時間がかかり、それなのに決まらず終わることも珍しくない。これまでもたびたび日本企業の問題として働き方についてとりあげてきた大前研一氏が、日本企業の会議の問題点について指摘する。

 * * *
 日本の多くの企業とホワイトカラー社員は「働き方」という点で、世界の潮流から完全に取り残されている。

 たとえば、日本の会社は会議が多い。しかも、たいてい「これは非常に重要な問題で……」と始まり、「軽々に結論は出せない」で終わる。たとえば1時間の会議なら、担当者があらかじめパワーポイントなどで準備した何十ページもあるような分厚い資料を50分くらいかけて説明し、質疑応答や議論の時間は最後の10分ほどしか残らない。したがって意見がまとまらず、結論も出ないというパターンになってしまうのだ。

 また、日本のホワイトカラーは、会議に出ていると仕事をしている気になる。しかし、実際には会議で全く発言しない人が多い。下手に質問したり、異論を唱えたりしたらカドが立つとでも思っているのか、ずっと俯(うつむ)いて会議が終わるのを待っている。

 つまり、サラリーマンの予定の多くはムダな会議なのである。いつも「忙しい、忙しい」といっている人たちは一度、自分の手帳を見て過去1年間のスケジュールを振り返り、記憶に残っていない会議がどれだけあるか、その理由は何なのか、真摯に反省すべきだ。時間は短くても集中して議論できるような工夫をすれば、会議は現在の10分の1に減らせるはずである。

 本当に実のある会議とは、外部(または部外)の人間に入ってもらって議論を戦わせるブレインストーミングだ。会議は、内部の人間だけだと異論が出ない。外部の人間から違った視点の意見を聞いたほうがフレッシュな議論になる。今は「スカイプ(Skype)」の無料ビデオ通話もあるので、ボーダレスなテレビ会議や15人くらいの会議も簡単にできる。

 ところが、未だに多くの日本企業は社員だけで内輪の会議を続けている。これでは世界に通じる議論ができないし、そのような能力も身に付かない。

※週刊ポスト2013年6月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン