夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(54歳)が食品メーカー勤務の奥様(50歳)。子供たちは独立し、夫婦2人の生活です。
* * *
週刊ポスト5月24日号で「23年間、会話がなかった夫婦」という記事が載っていましたよね。ご主人が奥様と全く会話を交わさなかったという驚きの内容でしたが、我が家は逆。主人の喋り過ぎが悩みでした。帰宅すると、その日、会社で何があったか、事細かに話します。子供たちがいた頃は相槌を打ってくれていましたが、2人になってからは鬱陶しい!
しかも、50歳を過ぎてからは同じ話を何回もするんです。「部下のT中ってさ、子供の頃、テレビの歌番組で優勝したらしいんだよ」その話、3回目! 「驚いたよ。Y下の父親って73歳なのに再婚したんだってさ」は5回目! ベッドで私がウトウトし始めてると、「明日は10時から打ち合わせで……」って、うるさい! 目が覚めちゃったじゃないの!
主人がもうすぐ帰ってくると思うと、頭痛ですよ。耳栓でもしようかと思いましたが、「そうだ! 先制攻撃でいこう」と決めました。帰宅した主人が話し出そうとする前に「今日、スーパーに買い出しに行ったらね」と、どうでもいい話を喋ります。
ベッドでも、「そういえば若い頃のアナタってさあ、一緒に寝てると……」いかに暴れん坊だったか話すと、「オレ、寝るからちょっと黙っててくれ」って、作戦大成功! 今は帰宅してもすっかり無口の主人です。
※週刊ポスト2013年6月21日号