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米指名・加藤豪将は「内野手の資質全て備わる」と篠塚和典氏

 米メジャーリーグのドラフトで日本人が初めて上位指名された、というニュースが今月7日突如舞い込んだ。指名されたのはカリフォルニア州に住む加藤豪将君(18)。まだ高校生というのも驚きだが、指名したのが名門・ヤンキースとなれば、三度驚かずにはいられない。

 USAトゥデイ紙によると「猫のような素早いグラブさばき。俊足で、守備範囲も広い」とヤンキースのスカウトが評し、名二塁手・カノの後継者として期待されているのだという。

 また、加藤君と現地で親交のある元レンジャーズの大塚晶文氏は「ひと言でいえば5ツールタイプ(すべてを兼ね備えた選手)。打撃では一発も打てるし、小技もできる。選球眼もよく、広角に打ち分けられる」と称えている。

 そこで、巧みなバットコントロールと華麗な守備で鳴らした元巨人の名二塁手・篠塚和典氏(野球評論家)に、加藤君の守備とバッティングを映像から分析してもらった。堅守と評される守備について、

「足の運びとハンドリングが素晴らしい。名手は打球に合わせていろんな歩幅を使うことができる。これは訓練してもなかなか備わらず天性のもの。常に足をしっかり使って打球を処理している。ヒザの関節も柔らかく、イレギュラーした打球でも対応できそう。あと意外に思われるが、二塁手はゲッツーをとるために肩が強くないといけない。身長が188cmあり手足が長く、関節も柔らかく肩も強そうだ。内野手としての資質がすべて備わっている」

 では、バッティングはどうか。

「スイング軌道は素晴らしい。上体の使い方は悪くない。ただ、ノーステップに近い足の運びをしているため、ボールにうまくパワーを伝えることができていない。そして、このスイングでは変化球に対応できない。あとミート後に体が伸び上がるクセを直せば、ストレートにももっと対応することができる」

 バッティングに関してはこれから経験を積む必要があるというが、篠塚氏はこう続けた。

「守備に自信があるということが重要。自信を持つことで打撃練習に専念できる。守備が認められる方が起用されやすく、チャンスは広がるのではないか」

 ヤンキースが認めた18歳が、メジャーに向かって動き出した。

※週刊ポスト2013年6月28日号

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