夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(54歳)が水産会社勤務の奥様(51歳)。岡山県と山梨県の出身です。
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岡山では「早く帰りなさい」を「はよ~いんどかれ~」、「放っておきなさい」を「ほっとかれ~」というんです。「インドカレーにホットカレー。カレー好きの県民なんだ」と聞く度に笑ってしまいます。ところが、主人の方は、甲州弁を聞く度に驚いたり、激怒。母が私に頼んだ「背中かじってぇ」に目を白黒。「痒いから背中をかいて」という意味なんです。
最初、母に会った時は帰った後、「なんで僕の秘密を告げ口するんだよ!」と顔を真っ赤にして怒りました。意味がわからなかったんですが、完全に主人の勘違い。甲州弁では「そうなんだ」という相槌が「ほうけえ」で、母は主人に対して「ほうけえ」を連発。それを「包茎」と聞き間違え、「なぜ、僕の下半身事情をお母さんが?」となったわけです。
主人って年齢のわりには髪の量が多く、それが逆に会社でカツラ疑惑を呼んでいたようで、これまでは「そうですね」という甲州弁に無反応だったのに、この前、母が「そうズラ」といったら、「僕はズラじゃない!」ですって。もう~、やぶせったい(邪魔くさい)亭主!
※週刊ポスト2013年6月28日号