ライフ

全国の競馬場を飛び回る女性競馬ライターが綴った競馬放浪記

 黒髪ストレートにワンピース姿の彼女。見た目は清楚なお嬢様風だが、その正体は競馬の魅力にとりつかれた勝負師。競馬ライターとして日本全国のみならず海外の競馬場まで飛びまわる。そんな日常を競馬の勝敗結果とともに綴ったのが本著『私は競馬を我慢できない! 馬酔い放浪記』(競馬ベスト新書)だ。著者の井上オークスさん(35才)はこう語る。

「もちろん勝てばお金が入ってくるというのもありますが、何といっても現場の臨場感が好きなんです。競走馬や騎手に向かって、“いけー!”とか“させー!”とか大声を出す。日常生活で大きな声を出すことってそんなにないから、競馬場で声を張り上げて応援するってかなりのストレス解消になるんです」(井上さん・以下「」内同)

 著者が競馬界の門を叩いたのは大学卒業と同時。競馬エッセイコンクールに入賞したことがきっかけで競馬ライターの道を進むことになった。

 競馬ライターとしてそれなりの収入があっても、すべて競馬につぎ込んでしまうため、サイフの中身はすっからかんなんてこともしょっちゅうだ。

「1年ほど前には全財産が1000円なんてこともあって。競馬場から帰りの電車賃がないということもありました。

 一応、京都に住まいはあるんですが、築40年以上で家賃は1万円。お風呂とトイレは共同で、エアコンなんてもちろんありません。でも年に数日しかいないので問題ないです」

 競馬を単なる賭け事とは考えない彼女は、競馬を生で観戦することにこだわる。

「馬券はネットでも買えるけれど、競馬場に行かないと味わえないものがあります。砂しぶきを上げて懸命に走る馬の迫力、勝利ジョッキーに対して沸き起こる大歓声など、現場でしか味わえない興奮があるんです」

 日本中央競馬会が運営する日本ダービーや有馬記念といった大きなレースは、観客数も多く盛り上がるが、各地の自治体や団体が運営する地方競馬には、また違った魅力がある。

「地方競馬の中には、経営難で廃止寸前といった窮地に立たされているところも数多くあります。中央競馬の1着賞金が数百万から数千万円以上なのに対して、地方競馬は10万円なんてところも。それでも騎手や馬にかかわる人たちは命をかけて闘っている。そこにロマンを感じるんです」

※女性セブン2013年7月4日号

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン