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統一球はミズノ製1社 全球団向けに28万個を中国上海で製造

 昨年、世界標準を目指して導入されたプロ野球の統一球が、今シーズン開始とともに、密かに変更されていたことが明らかになった。ひと口に“飛ぶ”ボール、“飛ばない”ボールと呼んでいるが、その違いはどこから生まれるのか。ボールの秘密に迫った作家の山藤章一郎氏が報告する。

 * * *
 野球ボールはアシックス、ゼット、久保田もつくるが、統一球はNPBがミズノ製1社にかぎった。

 ミズノは公表していないが、1個850円。1球団、5、6000万円。全球団向けに2万4000ダース、28万個を上海で作る。東京ドームのショップでは、1個2500円で売っている。

 ミズノ広報宣伝部・澤井文彦氏は、2つ割りにしたボールを手に、「この、中心のゴムの配合を高反発性にすれば飛ぶのです」と説明してくれた。それ以上は、明かさない。

 超低反発のゴムメーカー、兵庫県明石市の〈内外ゴム〉に訊いた。やはり「秘密だが」と前置きして一般論をいう。

 ゴムとは、〈高分子ポリマー〉〈金属酸化物〉〈カーボン〉〈可塑剤〉を混ぜあわせたものをいい、この〈ポリマー〉を低反発にすれば〈低反発ゴム〉ができる。反発係数とは、縮まってから元に戻ろうとするボールの力の強さで、それを決するのが〈ポリマー〉。〈ポリマー〉とは、〈重合体〉と訳される有機化合物。身近には、ポリ袋のポリエチレンなどがある。

※週刊ポスト2013年7月12日号

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