夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、商社勤務のご主人(48歳)。奥様(48歳)は世話好きで、町内会の仲間たちとの飲み会などの幹事役でした。
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飲み会とかカラオケとか、1回に7~10人近く集まり、女房が会費を集め、カードで支払っていました。これだけで月に10数万円で、かなりのポイントがつきます。年4回のゴルフコンペも大きいですね。1回に20万円以上で、年間300万円近くを払っている事になり、カード会社からプラチナカードの招待状が届きました。
「年会費が高いからやめたら?」と、僕は反対したんですが、「年会費なんて、ポイント額の高さで相殺よ」と、問答無用で切り替えた女房。そのまま黙っていればいいのに、やっぱり自慢したいんですね。飲み会で見せびらかしてしまったんです。
当然のように、「我々の金でポイントを貯めてるのはおかしい!」という声が上がり、会計は別の人に。「プラチナ、解約する?」「いいえ、起死回生の妙案があるわ!」。女房、ビンゴ大会を企画しました。「これなら堂々と会費を集められるでしょ」。ビンゴの賞品を買い込み、皆さんに声をかけましたが、「う~ん、ビンゴ大会ね~」。
ひとりも集まらず、買い集めた商品はただのガラクタに……。「こうなるって、予想してた?」「いやいや」。否定しながら、心の中で「ビンゴ!」と答えてしまった僕です。「人のお金でプラチナカード」は不埒な考えでした。
※週刊ポスト2013年7月12日号