学生時代から「ビジネス」が口癖、勉強しないで海外で自分探し、人脈作りの為にイベント開催、Facebookで自作のキャッチコピーを投稿、スティーブ・ジョブズの思想にカブレすぎ……。最近では、こうした「意識高い系」と呼ばれる人々が揶揄され、「意識高い系(笑)」とネット上でも度々ネタとなる。人材コンサルタントの常見陽平氏は『「意識高い系」という病~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー』という書を執筆している。
意識を高くもつことは悪いことではなく、むしろ褒められるべきだろうが、何かと揶揄されがちな風潮がある。現役の東大大学院生のコジマ氏(24歳)は、「意識高い系」について、こう分析する。
「『意識高い系』という言葉で揶揄されてしまう人は、結局当人の実際のスペックと“こう見られたい”という姿の間のギャップが大きく、それが他人からみて明らかに違和感がある人だと思います。
例えばインターネット系ベンチャー企業のインターンに参加してFacebookに自慢げに写真をアップしているくせに、エクセルで円グラフを作れずに恥ずかしくて人に相談できない学生がいました。彼は実際、揶揄されていましたね。そうはいっても、自分の実際自分の周りには、『意識高い系』と揶揄される人間と同じようなことをしているのに、普通に認められている人も沢山いますよ」(コジマ氏)
一方、同じ東大大学院生のスナヤマ氏(24歳)は、最近では「意識高い系」を揶揄する風潮に一石を投じる『高み系男子』が増えていると話す。
「自分の周りでは大きなビジョンを持っていたり、頑張っている人間を『意識高い系』という風潮はもうないです。逆に、『そんなに上を目指しちゃうんだ?』と言いたくなるような『高み系』の男子が増えている気がする」(スナヤマ氏)
それには、コジマ氏も同意する。
「確かに『高み系』男子はいますね。イケメンで高身長、高学歴、彼女有りで、さらにそこからシックスパック(割れた腹筋)を作るためにトレーニングする友だちがいます。『俺トレ厨(トレーニング厨)になるわ』『男磨きするわ』と公言しているので、友だちとしても面白いし最高です」(コジマ氏)
「『高み系男子』といえば、毎朝晩クックパッドを活用して自炊をしている男友だちもいますね。その友だちも容姿端麗で運動神経もよく、勉強もできてモテる。どれだけ上を目指せば満足するんだよ、という感じなので『高み系』だと思います。それを自慢しないでナチュラルにやりのける感じがポイントですよね。
ちなみに、午前中はプログラミング、昼は学校のそばにある男友達の家で手料理を作って一緒に食べ、食後はフットサル(笑)。このくらい積極的に『高み系』だと潔いです」(スナヤマ氏)
最後にコジマ氏が、こうまとめる。
「自分の身の丈にあったことをすることと、過剰に他人にアピールして承認を求めることをしなければ、揶揄されることはないですよね。結局みんな目標に向かって頑張りたいというのが本音だと思いますから」