コンドームメーカー大手の相模ゴム工業(神奈川県厚木市)が今年1月、全国の男女1万4100人に行ったアンケート調査結果によると、セックスを「もっとしたい」と答えたのは50代男性で71.3%。50代女性は24.9%という結果になった。こうしたセックスに対する意識の違いはどこからくるのだろうか?
『男はなぜ急に女にフラれるのか?』(角川書店刊)の著者で心療内科医の姫野友美さんは、恋愛において、男性は体が先行するが、女性は違うと説明する。
「雄の究極の目的はセックス。自分の遺伝子を残すことに存在意義があるのです。ですから、極論生物学的にいえば、女性であれば誰でもいいんです。それに対し、女性は、受精に必要なひとつの精子を選んで、その男性とセックスする。ひとたび妊娠したら出産するまでは子供ができません。
だから、女性は相手選びに慎重なんです。自分の体を安心して預けられる人――この人は、私を本当に愛してくれているのか、大事にしてくれるのか、そういう視点で男性を吟味しています。だから女性はセックスだけでなく、一緒に会話する、食事をする。そんなことが重要なんです」
女もセックスをしたくないわけではない。でもセックスだけを求めているわけではない。つまり、女性が求めるセックスは、多くの場合、恋愛感情込みでのものだ。
『熟年恋愛講座 高齢社会の性を考える』(文春新書)の著者でノンフィクション作家の小林照幸さんは、なかでも60代以上の女性たちは「人生のラストシーンを飾るパートナー」を求めているという。
「60代以上になると、もしかしたらこれが最後のセックスかもしれないという思いを持つんです。そうすると女性は、まるで映画のヒロインにでもなった気分で、みんなが憧れるような素敵な人と最後の舞台でセックスしたいと考える傾向にあるようです。
この男性と出会えたのは偶然じゃない。運命なんだと考えたくなる。女性はそんな物語性を頭の中で作る傾向にあるようです」
※女性セブン2013年7月18日号